曇り 気温:最低 14℃/最高 19℃
実際の観測気温よりも、体感気温は高めの一日だった。これは湿度などの気象的要因によるものなのか、身体が秋めいた気候になじんだためなのかわからない。いずれにしても、日中は暑くは感じず、夜は以前より暖かく感じる。蓼科の山岳部では、森のそこここで赤いもの(紅葉)が見られるようになってきている。
さて、理屈っぽいことばかり書いていると嫌われるので(と言うのは嘘です)、違うことを書こうとするのだけれど、なかなか《無難な》話題がない。ブログみたいに社会的事件にコメントする形式ならかなり楽なのだけれど、それをやるつもりはあまりない。あれはあれで、トラックバックやら何やらがくるので大変気を使う作業なのでは無いかと思う。
あ、そうそう、愛犬のシベリアンハスキーのパル君が今日獣医さんでお尻にできた腫瘍の切除手術を受けた。とても健康で予防注射以外で獣医さんのお世話になったことなど無かったので、麻酔をする段になって彼はじたばたと抵抗して大変な騒ぎになった。身体が大きくて精悍な風貌のわりに子犬みたいな態度なので周囲のひとにしっかりと笑われた。まあ、それがパル君らしいところなのだけれど。
麻酔をかけるまで男性3人がかりで抑えて点滴用の針を刺したりして手術の準備を完了した。彼にしてみればそれはそれは恐ろしい体験だったに違いないが、手術をしないでほうっておくと大変なことになるのだから恨まれたとしても僕としてはしょうがないと思っている。おかげで、帰ってきてからどっと疲れが出て(何しろパル君がものすごい力で抵抗するものだから)、小一時間寝込んでしまった。
文字通り《家族》が手術を受けたわけだから、精神的にものすごく緊張状態にあったのがほっとしてとけたために急激に眠くなったのかも知れないとあとで思った。パル君のわが家における存在の大きさを改めて認識したしだい。もはや彼のいないわが家など考えられないのだ。
病理検査の結果待ちだけれど、おそらくは良性腫瘍とのことなので少し安心した。手術は問題なく終わり、お尻に長い縫合の跡が残った。麻酔から覚めたあと数時間は心ここにあらずと言った様子だったが、夜半には正気に戻っていつも通りのパル君になった。それでも僕が近づくと無理やり変なところにつれていかれてひどいことをされたとでも思っているのか、僕に対して警戒心を持っているのが感じられてちょっと寂しかった。
いまパル君は自分の犬舎にはいって、すやすやと眠っている。
これが今日のわが家のいちばん大きな出来事だった。
曇り一時雨のち晴れ 気温:最低 11℃/最高 18℃
午後遅い時間になるともはやクルマはエアコンではなくヒーターが入る。そんな気候になってきた。ピラタスの丘の今日の最高気温は18℃、曇り一時雨のち晴れという天気だった。陽射しはいっそう柔らかくなり、湿度がどんどん下がっている。そのぶん体感気温はお盆の頃より低く感じられる。
今日はダイニングラウンジでストーブに火を入れた。室温21℃で、ストーブを焚くほど気温が低かったわけではないが、きょうはお客様がいらっしゃるということもあってこの季節にぬくもりを楽しむという趣向で焚いたのだった。暖かさが気持ちよいという気候になったのだ。お盆明けからわずか10日でこの激変。いかにも蓼科らしい季節感だ。
午後10時04分、外はとても寒冷な風が吹いている。愛犬パルとの散歩はウインドブレーカー1舞い羽織るだけで大丈夫だろうか。一方、寒冷な気候が快適なシベリアンハスキーのパルは絶好調で、いつもより1時間も早くから散歩に行こうと言っている。
パルが甘ったれた声を出しているので、しょうがない、少し早いが散歩に出かけるとするか。
今夜は隅から隅まで晴れ渡って、まるで絵に描いたような「満天の星」だ。銀河の中心部の濃密に密集した星がすごい迫力だ。もちろん天の川も言葉にならないほど美しい。ハンドライトを消灯し進路をパルに任せて僕はほとんど真上を仰いで歩いていた。
お客様にこのこと知らせようと思ったのだけれど、みなさまも薄手に就寝体制に入っているようなので、遠慮した。残念なことだ、こんなきれいは星空はそうそう出会えるものではないからだ。月齢や時間や季節による星座の変化など、様々な要因がぴたりとシンクロしないとこうはならない。
まさに一期一会(いちごいちえ)だ。僕らとお客様との出会いもそれに似ていると感じている。そしてそのように感じるからこそ、その出会いを大切にしたいと考えている。「客として来たりて友として去る」という言葉があるが、僕の思い描くペンションという「場」はそのようなものだ。
実際にそのような関係になるお客様も多い。あくまで「お客様」なのだけれど、同時に「友」であるような関係。そうなったときにお客様にとってペンション・サンセットは良い意味で「異界」となるのだろう。日常の「演じざるを得ない自分」をはなれて「素の自分」に戻れる場所。
ペンション・サンセットはそのような場所でありたいと願い続けている。
晴れ 気温:最低 10℃/最高 20℃
午後10時半、シベリアンハスキーのパルと散歩に出る。森の小径を抜けて標高を50mほど上げたところで突然疾風にあおられる。出発した時からざわざわと音だけは聞こえていたのだけれど、それが風の音だとはすぐには気づかなかった。今夜はかなり強い風が吹いている。
風速5m〜10mほどの風が道に沿って吹き抜けていく。見上げれば高い樹木の先端が大きく揺れている。月齢6日の夜空は明るく、そのために星はあまり見えない。しかしピラタスの丘の道は真っ暗だ。ハンディーライトを消すと、ほとんどなにも見えなくなる。
とても寒く感じる。思わず裏地がメッシュのThe North Faceのウインドブレーカーの襟を立てる。ほんとうに「秋」がやってきたことを実感する。
僕はこのナイトハイクとでもいえる愛犬との散歩がとても好きだ。それはこのように季節をダイレクトに感じることができるからかも知れない。
以上は昨夜の出来事。
今日の天気は終日穏やかな晴れ。静かな静かな初秋の雰囲気に満ちているが、季節は「晩夏」だ。見上げれば夏の暑気と秋の涼気の行き合う「行合の空(ゆきあいのそら)」になっている。積雲の上に少し離れて巻積雲がひろがっている。ああ、秋なんだなあ。
夜、愛犬と散歩していると叢(くさむら)でコオロギが鳴いているのが聞こえる。昨日の夜もそうだったけれど、気温はお盆の頃と変わらないのにやたらに肌寒く感じる。これは身体が変化したのか、それとも大地が冷えたことによるものなのか。
今夜は星が見えない。上空に雲があり、ピラタスの丘じたいも密度の薄い雲に覆われているからだ。それはちょうど上空から霧が吹き下ろしてくるような感じに見える。ひんやりとした大気が心地よい。今夜の気温ももはや半袖ポロシャツ1枚では寒くて、ウインドブレーカーの襟を立ててちょうどいい。
日中は夏、朝晩は秋というこの季節感はあと半月ほど続く。ふたつの季節が行き合うとてもすてきな季節だ。この季節は蓼科のプレミアム・シーズンといえるかも知れない。おすすめだ。
★★★
予定通りあっというまに工事が終わって今日からペンション・サンセットのインターネット回線(CATV)の速度は20MB(実測)保証のものとなった。体感的にはあまり早くなったようには感じられないが、ファイルのアップロード、ダウンロード作業時や、ムービーなどを観るときにその速さを実感できる。
これまで月額4200円(税込)だった接続料金が月額5000円(税込)になるが、800円の差額が、それに見合った快適性・利便性をもたらすのかどうかはこれからの評価になる。まったく、10年前には28.8KBのモデムでも(それまでの14.4KBモデムに比べて)ものすごく速いと感じ、64KBのISDNになったときなんて「なんて速いんだ!」と感激したものなのに、人間というのはなににでもすぐになれてしまうものなんだ。
晴れ 気温:最低 11℃/最高 20℃
昨日よりさらに冷え込んだ朝になった。最低気温11℃、たった1℃しか違わなくてもずいぶん印象が違ったものになる。まごうかたなき秋の朝だ。空の色は秋の青、白い雲の秋の雲。吹く風にはすでに秋の香りが含まれている。
気の早いナナカマドはすでに紅葉して結実し、すでにそれを落とし終わっている。たらの木もタンニン色にその葉を変化させ、今日走った奥蓼科ではもっと多くの樹木が枝の先端を黄色く赤くと変化させ始めていた。
奥蓼科のメルヘン街道(国道299号線)を走り、ビーナスラインにはいり、ピラタスロープウエイを見上げると、何やら旅人の気分。自分が東京からやってきていまこのリゾートに到着したような新鮮な感動を覚えた。蓼科はやはり僕にとっての永遠のリゾートなのかも知れない。
「はくちょう座流星群」だろうか、星がよく流れる。標高1750mでは流星はほぼ地表と平行に流れるので、燃え尽きて流れる瞬間の光芒(こうぼう)が稲光のように鮮明に見える。それはまるで水面をよぎる魚影のようでもある。
用事を済ませて帰る途中見かけた、ピラタスの丘のメインストリートの脇でうずくまっていたタヌキはどうしているだろう。けがでもしていたのだろうか。
今日もシベリアンハスキーのパルと深夜の散歩を楽しんだ(というか、この時間にならないと彼にとって快適なほど充分気温が低くならない=15℃以下)。夜だいぶ冷え込むようになってきたのでずいぶん元気を取り戻したようで、かなりの急坂でもずんずん進んでいく。
人間でいえばもう60代を軽く超えているはずなのだが、ものすごく元気だ。何だか僕の前では無理をして往年の自分の元気さを見せてくれているような気がする。そんな無理をしなくてもいいのに。これが彼なりの愛情表現かと思うと胸がジーンとなる。
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