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10年かけてふりだしにもどった
昨年の10月頃からずうっと自分の、というかペンション・サンセットのホームページのリニューアルにかかりきりだったような気がする。このウェブサイト(データ容量が200MBを越えたいま、そう呼ぶ方がふさわしいだろう)を開設したのが1996年7月1日だから去年の7月時点で満10年を迎えていたわけだ。
さすがに周囲のペンションや旅館の「ホームページ」と比較しても「古くささ」が目立ってきているように、少なくとも「ぼくには」感じられたのだ。その1年前に、ウェブや最新の書籍で学んで W3C の標準規格で主要な部分を再構築したのだけれど、それだけでは不十分だった。
ぼくがHTMLを書き始めた頃、標準規格は HTML 3.0 がようやく策定されたところだったように記憶している。だいぶ前からそれが HTML 4.01 Transitional ないし HTML 4.01 Strict となっていた。古いブラウザーを使っているひとのことも考えて HTML 4.01 Transitional を採用した。同時に CSS(カスケーディング・スタイルシート)も本格的に導入して、構造記述と修飾記述とを可能な限り分けて書くようにした。
次の段階はブログなどで標準となっている XHTML への対応だ。ものすごく優れたホームページ作成ソフトが出そろって、初心者でもHTMLの知識がまったくなくても素敵な見栄えの良いホームページを作成することが出来るような時代になったのに、ぼくは反対にいまHTMLやCSSやJavaScriptを手打ちで入力している。なんだか10年かけてお里帰りしたような奇妙な感慨を感じている。
ホームページは広告宣伝なのか
ホームページは広告宣伝なのか、と問われれば、「イエス」であり「ノー」でもある。古い用語を使うならば、ホームページによる情報発信は「PR(パブリック・リレーションズ)」であるというのが妥当なのだろう。しかし、じつに微妙なポジションに現在は置かれているように思う。すくなくともWWWは原初より「情報伝達メディア」であったことだけは断言できるのだけれど。
そのことがぼくを迷わせる。その結果、日々、ある時は劇的に、またあるときには細やかにペンション・サンセットの「ホームページ」のコンセプトやポジショニングや語り口やデザインやサイト構成を変化させ続けている。良くないこととはわかっているけれど、試行錯誤とはこのような結果をもたらすのもなのだ。
「広告宣伝」と「情報発信」という似て非なるふたつの位置づけの間を行ったり来たりしているのかも知れない。すくなくともウェブ以外のメディアにおいては、一応、「広告」には広告の作法があり、「情報」には情報の作法が確立されている。しかしウェブにおいてはなんでもありなのだ。
そのことがぼくを迷わせる。頭がかたくなってしまったのかも知れない、そんなことで右往左往するなんて。ただ現象面で見るならば、今年あたりから宿泊業にかんしてはプロに依頼して構築された「プロフェッショナルな広告宣伝にフォーカスしたもの」がメインストリームになってきている。
個人的には、ペンションのホームページは可能な限り「オーナーの手作り」であるべきではないかとも思うのだけれど、そんなのどかな時代は終焉を迎えたのかも知れない。ぼくはあいかわらずトレンディーじゃないのだ、たぶん。あいかわらず「パーソナルなコミュニケーション」を求め続けているのだから。
宿は苦行?
世の中は好景気だそうなのに宿はますますデフレ状態、安売り競争の総力戦になっている。構造不況は当分終わりそうもない。「しゅくはくぎょう」を変換したら「宿は苦行」と出た。まさに言い得て妙ではある。じつに「宿は苦行」となりつつあるのかもしれない。
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