曇りのち雨 気温:最低 12℃/最高 19℃
ビーナスラインを走って白樺湖?車山?霧ヶ峰を巡った。あいにくの曇天だったけれど、気温は車山で22℃を示していた。もうすっかり初夏になっているのだ。というか、高原の花暦ではいまこそが「真夏」なのだからあたりまえか。
車山をぐるっと回り込んで霧ヶ峰にさしかかると道路の左右の斜面そして谷の向こう側の斜面と見渡す限りのレンゲツツジの花が視界に飛び込んでくる。蛍光オレンジのその赤さはちょっと他では見ることのできない色彩だ。
その風景はイングランドの丘陵地帯を思わせるなだらかな稜線と相まって不思議な感覚を喚起する。以前観た黒澤明監督の「夢」というオムニバス作品の色彩感に似ている。そうなのだ、それはまるで夢の中でしか出会えないような美しさなのだ。夢でしか見たことの無いような風景なのだ。
蓼科に住んでいながら、レンゲツツジの咲き誇るこの季節に霧ヶ峰を訪れたのは実は初めてであることに気づく。ニッコウキスゲの満開の頃は何度も落ちずれているのに、ちょっと不思議なことだ。おそらく「群生」のイメージがニッコウキスゲのような壮大な印象ではなく、所々に固まって群生していると思いこんでいたせいかもしれない。
多くのお客様も同様のイメージを抱いていらっしゃるのかもしれないと初めて気づく。もっときちんとお伝えしなければいけないと反省する。レンゲツツジの群生はニッコウキスゲの群生と同規模の壮大な風景を作り出すのだ。そのことをもっと正確にお伝えしなければならない。
この壮大な風景をご承知のお客様で大変な賑わいだったことからも、きちんとお伝えすれば是非ご覧になりたいというお客様がたくさんいらっしゃることを実感した。
時間を十分とれなくてベストアングルの写真は撮れなかったけれど今日の霧ヶ峰の写真を載せておきます。こちらになかなか良い写真があるのでご覧ください。実際はこの数倍も迫力のある夢のような景色です。
はっきりしない天気が続いていますが、梅雨明けが近いという実感がしています。それはぼくらの体や心が感じる季節感です。自然とシンクロできれば天候も気候も季節も自分の一部として感じ取ることができるようになるのです。
梅雨明けはもうすぐ、レンゲツツジの花が終わるのとほぼ同時にニッコウキスゲの群生が見頃になります。この同じ場所が赤い絨毯から黄色の絨毯へと一変すると思うとその天然の美の不可思議に思いをはせずにいられません。ちなみにニッコウキスゲの群生の見頃は7月中旬から2週間ほどです。
車山?霧ヶ峰?八島が原湿原の開花情報はこちらのサイトでご確認いただけます。
午後7時、まだ空は残照で明るく庭ではウグイスが鳴いています。朝はホトトギスが歌っているので、両者の棲み分けはどうなっているのだろうと、つい余計なお節介を焼きたくなってしまいます。親切とお節介は紙一重なので、ペンションの人間としてはそこのところに鋭敏でありたいと努力して射るのですが。
※写真をクリックすると拡大してご覧いただけます。
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