(写真クリックで拡大) いつしか風もおさまり 森に響き渡るこの轟音も 止むことだろう 終わりのない始まりはないし 始まりのない終わりもないのだ あるのはただ「いま」だけ パルは居室ですやすやと眠っている 体力の衰えから どうやら風邪を引いて こじらせて 肺炎になりかけていたようだ あまりにも頑健で屈強の寒冷地犬であるがゆえに 僕らが気づくのが遅れてしまった さいわいほぼ回復したけれど 自分の想像力のなさに いささか忸怩(じくじ)たる想いだ 急に衰えて 寝たきりになってしまったパル君だけれど 僕にとっては それは彼の一断面にすぎない 我が家にやってきた頃の子犬のパル いたずら盛りでやんちゃだった頃のパル 屈強な成犬になって 信じがたいほどの身体能力とパワーを 見せつけて 野生のたくましさを思い知らせてくれた頃のパル そして熟年を迎え穏やかに暮らしていたパル そのすべてを いまのパルの中に見ることができるのだ その姿や状況とは関わりなく変わることのない 実存としてのパル いま目の前に生きるパル そのことにかわりがあろうはずがない 順番としては パルの方が先に逝くのかもしれないけれど 僕らの命だって永遠ではないのだ それが自然のことわり いつか同じふるさとで 再会することになるのだろう それこそが 縁(えにし)とうものなのだから また 新しい一日が 始まります パルにとっても 僕らにとっても たぶん・・・
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