世界は こころの中で終わる 死も また同様である。 目覚めると 二重窓の窓外から かすかな歌声が聞こえる なつかしい 野鳥たちの声だ 窓を開けると そこは未だ 氷点下10℃の世界 しかし その力強い歌声が わっとばかりに なだれ込んでくる 樹上に目をやれば そこにはまるまると太った 正確には まるまると羽毛をふくらませた シジュウカラの群があった 冬の間は コガラを目にすることの方が多いので やたらに巨大な鳥に見える 耳を澄ませば 他にも じつに多くの 歌声が聞こえてくる コゲラと想われる キツツキの 機関銃のような ペッキングの音さえ 聞こえるのだ 森がにわかに活気づいている いのちの気配に満ち始めている まるで満ち潮のように 生がある限り 死がつきまとうのが 自然のことわり その真実からは 誰も逃れようがない だからこそ いのちは美しく そして 価値があるのだ あらためて そのことを 教えられる --- ●ペンション・サンセット ●蓼科高原日記 ☆たてしなラヂオ☆
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