何年か前の秋に書いた記事です。 このブログでは再公開になります。 ★★★ 曇りのち一時雨 気温:最低 1℃/最高 6℃ 「ちなみに僕が抱く世界観は池澤夏樹の「スティル・ライフ」の冒頭の文章に的確に表現されている。長いので引用は避けるけれど、機会があったら是非一読することをおすすめする。」 と昨日僕は書いた。 しかしそれも大変だろうから、膨大な蔵書の中から(そうなのだ、僕の本とレコードのコレクションは膨大な量なのだ)「スティル・ライフ」をようやく探し出したので、冒頭の部分を引用しよう。 この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。 世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、それぞれまっすぐに立っている。 きみは自分のそばに世界という立派な木があることを知っている。それを喜んでいる。世界の方はあまりきみのことを考えていないかも知れない。 でも、外に立つ世界とは別に、きみの中にも、一つの世界がある。きみは自分の内部の広大な薄明の世界を想像してみることができる。きみの意識は二つの世界の境界の上にいる。 大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和を図ることだ。 たとえば、星を見るとかして。 二つの世界の呼応と調和がうまくいっていると、毎日を過ごすのはずっと楽になる。心の力をよけいなことに使う必要がなくなる。 水の味がわかり、人を怒らせることが少なくなる。 星を正しく見るのはむずかしいが、上手になればそれだけの効果が上がるだろう。 星ではなく、せせらぎや、セミ時雨でもいいのだけれども。 これは僕が長年の瞑想体験によって見ることのできるようになった世界をじつに的確に記述した文章だ。空気が平地にくらべて20%も薄く、清涼な大気と静寂に抱かれた蓼科は、瞑想者にとっては最適な環境だと言える。僕の瞑想体験は飛躍的に進んだ。 僕の「静かな生活(スティル・ライフ)」は続く・・・のだろうか。 ※写真をクリックすると拡大してご覧いただけます。 ▼オリジナル・エントリーへのリンク▼ http://www.p-sunset.com/blog/2007/11/01120039.php --- ●ペンション・サンセット ●蓼科高原日記 ☆たてしなラヂオ☆
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