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デジタル一眼レフカメラを手に入れたことと、昨年末から始めたブログ(といってもWeb版ブログのつづきだけど)に毎日写真を載せられるようになったことで、写真を撮す機会がぐっと増えた。一眼レフのシャッターを切ったときの機械的な感触が好きなのだ。それはいかにも目の前の写し取りたい風景や情景をしっかりと捕まえたという確信を与えてくれるからだ。
シャッターを切るとファインダーに映像を送り込むためのミラーが跳ね上がりシャッター幕が高速で走りその後再びミラーが元の位置にもどる、その音と振動がたとえようもなく心地よい。プリミティヴな宗教儀式で打ち鳴らされる打楽器のように、その波動は呪術的でこころ惹かれるものがある。
リズミカルに撮影を続けるうちに次から次へとインスピレーションがあふれてきて、撮影そのものが音楽的なものに変質するところが、ぼくにとっての一眼レフカメラの楽器的位置づけとなっている。それはいまこうして(そのことを)タイプしているキーボードの音やキーの感触もまた同様なのだけれど。ようするにこれもまたぼくにとっては音楽であり、楽器であるわけだ。
いまこうして文章を打ち込んでいる(書いて?)いる間にも、背後のスピーカーからはジョン・コルトレーンの演奏する My Favorite Things が聞こえている。エルヴィン・ジョーンズの自在に時を刻む呪術的なドラミングとマッコイ・タイナーのシンプルなコード進行の呪術的な反復の上にコルトレーンの呪術的なアドリブがソプラノサックスによって奏でられ続けている。スティーヴ・デイヴィスの野太いベースはそれを支えるギリシャ神殿の巨大な柱のようだ。
それはこの世界を一度バラバラに分解し、瞬時に再構成する作業の永遠に続く反復のように感じられる。バラバラにし、組み替える、再びバラバラに分解し、そして組み替える。以前とは異なった少しだけ新しい世界が現れる。
ぼくもそのような写真を撮ることが出来たらいいなと思う。自分もそのようなことを文章で行うことが出来たらすごいなと思う。ささやかだけれど、たぶん実現しない夢ではあるけれど。
※写真をクリックすると拡大してご覧になれます。
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