曇り時々晴れ 気温:最低 3℃/最高 18℃
厚手のコットンのトレーナースーツを着込んでいても館内は寒いぐらいに感じます。もちろん窓は全部閉め切ってる。外は陽射しがあるのでこのかっこうでちょうど良いのだけれど、断熱材で覆われたこの建物の中まではその熱は入り込まない。
吹き抜けのラウンジの大テーブルでこの文章を書いています。全面ガラス張りなのでまるで外にいるように感じますが、寒いので窓は閉めています。それでも二重断熱ガラスを通して野鳥たちの美しい歌声が聞こえてきます。
現在の室温は16℃、この季節としては平均的な気温になっています。僕は厚手のコットンのトレーナースーツの上に冬用のノースフェイスのダウンパーカを褞袍(どてら)代わりに羽織っていますが、それでちょうどよい具合です。
3台のベースステーションを設置して死角のない館内無線LANを構築したおかげでこうしてどこにいても快適にインターネットを利用できるのは僕個人としてもとても便利です。もちろん本来はお客様の利便性を考えて始めたことではあるのですが、そのメリットを日々享受しているというわけです。
音楽もかけず、こうして文章をタイプしていると、森の静寂がどっと押し寄せてくるようです。もちろん吹き抜ける風の音や葉擦れの音はしますし、鳥の声はあるのですが、それに勝る静寂が僕のこの小さな世界をすっぽりと包み込んでしまいます。
耳の奥からきーんという音が聞こえ始め、それはどんどん大きくなってこれは耳鳴りではないのかと心配になるほどです。これが、ペンション・サンセットを包み込む静寂なのです。この静寂に身も心も任せれば、圧倒的な自然の治癒力が僕らをいやしてくれるのです。
ThinkPad T43 の右手の下のパームレストが内蔵ハードディスクの熱でほんのりと暖かく感じます。寒いくらいの室温なのでそのぬくもりが妙に心を温めてくれます。このような環境でこのように文章を書くというのが10年来の僕の夢でした。蓼科高原日記は本来はこのようにしてしたためられるべきだったのかもしれません。
ブログ化して以来、まず写真を選んでそれを意識しながら文章を書くという作業に変化してきたのですが、久しぶりに写真なしで(それは後から考えればいいと割り切って)こうして書いてみると、書けるのです、すらすらと語りたいことが出てくるようになったのです。
写真を説明したり解説したり、あるいはそれにまつわる話を書くのではなく、僕の内面に浮かび上がることどもを文章にすることの方がどれだけ容易で創造的なことなのかを再認識します。僕が語りたかったのは、映像としての蓼科ではなく、自分の内なる蓼科だったのですから。
とはいえ、お客様にとっては日々掲載される蓼科の風景はきっと心和むものでしょう。それは誰よりも自然を求め、蓼科に魅入られてとうとう移住してしまった僕が一番理解していることです。だから、ここらで仕切り直して、ここしばらくブログのために撮っていた写真をやめて、これからは以前のように僕の心象風景としての写真を撮り、内なる蓼科を語っていきたいと思う次第です。
※写真をクリックすると拡大されますので是非大きな画像でじっくり鑑賞してください。
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