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夏のご予約が増えてきました。今年は平年より少し早めかもしれません。それにつけても、いつものことながら、いささか残念な思いを抱くことの多い時節でもある。お電話でお問い合わせをいただき、ご宿泊料金を申し上げると「じゃあいいです、プツン!」というお客様がたまにいらっしゃるのだ。
第一に「じゃあいいです、プツン!」というのは社会通念上いささか礼を欠いていると思うと言うこと。そして、絶対的料金でしか選択してもらえないという事実。第二に、そうした安売り指向が社会還元無きこの不可思議な好況下のデフレをますます加速してご自身の生活をますます厳しいものにしているという悪循環に対する認識が全く欠如しているという事実。
まあ、余計なことなんでしょうけれど。
商売上手なペンション経営者はこんな苦言を呈したりはしない。満面の笑みと猫なで声に隠れて腹の中でしたたかに策略を練っているものだからね、すくなくとも僕の経験ではそうなのね。
ペンション・サンセットはいわゆる「安宿」ではありません。安さを売り物にした宿ではありません。施設やお料理やサービスのレベルとしては1泊2食付き税別10000円のペンションです。
実際の料金はデフレや消費税率の引き上げに対応して逆に値下げして現在は1泊2食付き税別9000円のペンションになっているけれど。開業以来平日8900円、休前日9900円、お盆等10900円(すべて税別)のペンションなのです。
それがいまは年末年始とお盆休み以外は一律9000円です。
値下げしたからと言ってどこかをコストダウンしたりしてはいません。むしろサービスも料理も施設もグレードアップしている。だから毎年100万円単位の赤字を出すことになる。それでも続けているのはこの仕事を愛しているからです。それを料金を聞いただけで根拠もなく「高い!」といわれるのははっきり言って心外の極みなのね。
ああ、こんなこと言っちゃいけないのだけれど、今日は言わせてもらいます。
実際にご宿泊いただいたお客様の多くが再度ご利用になってくださることからも、ペンション・サンセットが「高い」ということはないと思うのです。それはバランスシートや損益計算書からも明らかです。高級ホテルの2倍ほども原価がかかっているからです。特にお食事原価はほとんど利益無しのレベルです。
まあ、商売下手だということを告白しているようなものですが、この仕事をしている人の多くはみなお客様の笑顔を見たくて採算度外視で経営しているようなところがあります。だから、バブルで「しっかりもうけた」事業家肌の優秀な経営者は別として、商売というよりはそれぞれの志を持ってペンションを経営しているひとがほとんどです。
なんか「武士は食わねど高楊枝」ですね。その志や良しとはいえ、この貧乏生活はなんとかならんのか?、ってね、責められるのですよね奥さんから。(笑)
ということで、ペンションというのはそんな感じで運営されている宿だと言うことでいささかなりともご参考になれば幸いです、って、ほとんど参考にならないか、たぶん。
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