晴れ 気温:最低 12℃/最高 18℃
蝉の声がしません。天気によって鳴いたり鳴かなかったりするのかな。蝉の生態には不案内なのでよくわかりません。標高1200m以下ではまだ鳴いていました。いずれにしてもこの季節にこんなに蝉の声を聞くのは初めてのことです。
今日は久しぶりに結構「あつく」感じましたが、山麓の町で30℃に達しない気温でした。ピラタスの丘では最高気温は18℃でした。平野部からいらしたお客様は「寒いくらい」とおっしゃいますが、われわれにとってはこの季節にしては「あつい」一日でした。
といっても、エアコンが欲しいということではなくて「涼しくないなあ」といったニュアンスなのですが。にっちゅうでも風はひんやりさらさらとしていてとても心地よいのです。日差しが、今日に限って、強かったのかな。ここでは、熱源は太陽しかないのです。照り返しもムッとるする熱い大気もありません。
何しろ「残暑」というものがそもそも無い土地なのです。夏の盛りを過ぎるとそのまま緩やかな坂をゆっくりと下って秋へと向かうのです。いまピラタスの丘ではコスモスが満開です。美しい蝶が飛び、アキアカネ(赤とんぼ)が飛び交っています。
山から下りれば、山麓の町と山との間には農村部が広がっています。その風情がいいんだなあ、絵に描いたような「里の秋」がそこにあります。これから紅葉の季節が最高です。沿道の農家の軒先に見事な紅葉が真っ赤に照り映えていたりするのです。
蓼科の紅葉は赤、黄、緑の織りなす「錦絵(にしきえ)」になります。原生の雑木の森だからそのようになるわけです。広葉樹の美しい紅葉が終わる頃、オーバーラップするようにカラマツの見事な紅葉が見頃を迎えます。日本画の巨匠、故・東山魁夷画伯の描いた情景がここにあります。
それもそのはず、画伯はよく当地を取材の場とされていたそうです。
ちょうどそのころ「蓼科高原映画祭」(←検索!)が開催されます。秋深まる蓼科で鑑賞する小津安二郎作品そして様々な才能が開花する新作映画。忘れられない思い出になること間違い無しです。立科の住民が温かくお客様をお迎えします。
心温まるホスピタリティーに満ちた歴史ある避暑地「蓼科」です。
昨今ようやくそのことが広く認知されるようになってとてもうれしく思っています。
私が自分のペンションのホームページよりも先に、蓼科についてのホームページを立ち上げた1996年7月には「蓼科」という地名も「たてしな」という読み方もほとんど忘れられていたのですから、じつに感慨深いものがあります。
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