晴れ 気温:最低 11℃/最高 19℃
天気予報のイノセントな暴力について
今日も昨日に続いて快晴。
一昨日時点の予報では「雨」だったのに。
そもそも、この3連休の天気予報は今週初めの段階で「雨模様」だった。
じっさいは、土日は晴天、3日目は曇り、それ以降の1週間も晴れという予報に変わっている。
この大はずれの予報に対して、気象関係者からは何のコメントもない。
多くのお客様が天気予報を信じてこの週末の当地への旅行を断念した。
このかき入れ時に、被害は甚大だ。
しかし、役所同様に誰も責任を取らない。そもそも経済に与える影響に対する責任があるとも思っていないし、責任を取るシステムや規定すらない。
これはイノセントな「暴力」以外のなにものでもない。
お客様は週間予報などという「与太話」を絶対に信用しないで下さいね。1/2から2/3の確率ではずれますから。
ペンション・サンセットでは1回に限りご宿泊日の変更をキャンセル料無しの無料で承ります。
なので、ご安心の上、早めのご予約をどうぞ。
当日の雨や荒天で宿泊日変更したいときには無料で変更可能です。
ただし、他のお客様をお断りしてお部屋を確保することになる「お盆休み」だけは、申し訳ないのですが、このサービスはお休みさせていただきますのでご容赦下さい。
さて、きのうの続きです。
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僕にとっての村上春樹とは(3)
村上春樹の作品は彼のでデビュー以来ほぼすべて、共時的に、何回も読返し続
けていますが、その全体の流れを捉えていないと「海辺のカフカ」を読み解く
のはかなり困難かも知れません。特に、「世界の終わりとハードボイルドワン
ダーランド」はしっかりとその作品の輪郭をとらえていないと、「海辺のカフ
カの」後半のストーリーがまったく訳の分からないものになるかも知れませ
ん。
「ノルウェイの森」がベストセラーになる以前は、その形而上学的展開から女
性には敬遠される作家ナンバーワンだった村上春樹です。そして男性しか抱く
ことのない「憧憬」。社会的にはちっぽけな存在かも知れないけれど、自分な
りのハードボイルドなルールを絶対に譲らない主人公。
フランソワーズ・サガンやボーボワール、卑近な例では吉本ばななの作品を男
性が100%は理解できないのと同様に、女性には村上春樹の作品の100%
を読み解くことはできないのかも知れません。それはしかたのないことです。
男性と女性とは根源的にまったく異なった世界に生きているのですから。我々
がこの世界や価値を共有していると想っているのは美しい共同幻想に過ぎませ
ん。
村上作品はそのこともまた、僕に教えてくれました。
大学時代には本を読もうと決意して4年間で3400冊、文字通り目がつぶれ
るほど古今東西の書物に埋もれて(ふつうの学生生活もして)過ごしました
が、後年、村上春樹という作家に出会えただけでもその甲斐あったというもの
です。彼の作品を読む上で大学時代の乱読が大いに役に立ったことは言うまで
もありません。それ以来、努力はほとんど報われることのない想いに終わるけ
れど、多少は役に立つこともあると、いうのが僕の心情です。
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参考文献(蓼科高原日記2004年1月29日付より):
クリシュナムルティが言うように「思考が時間である」。あるいは、ラビンド
ラナート・タゴールが言うように:
「時間は精神的な装置であり、存在しているものの相対的な位置を測るた
めに私たちが使っている概念なのである。」
「もしリアリティをめぐるすべての知識が経験にはじまり経験に終わると
するアインシュタインが正しいならば、出来事の意味を汲みとる源となるよう
な外郭のリアリティは存在しないことになる。」
「われわれの知覚がそのようなものであると受け止めたもの、それが世界
だ。そのことを疑う者はいない。われわれは心とは鏡のようなもので、外の世
界の出来事を正確に映し出すだけだと思っているからである。ところが、じつ
は反対で、心のほうが創造しているのである。つまり、ひとは世界を知覚する
ことによって、自分の世界を、時間と空間の中に絶えず創造しているのであ
る。」
ということだと僕も思うのだ。子供時代から積算すれば何十年もかかって
僕は僕なりにそのような結論に到達し、その後に彼らのこのような言葉に出会
った。これはやはりシンクロニシティーではないかと思う。
折に触れて僕が言う「我々の外に景色(美・あるいは世界)は存在せず、
それは我々の心の中に構成されるものなのだ」というのはそのような意味にお
いてである。
と、まあ、こういう話題になるといくらでも語ることができるようになっ
ちゃうのだけれど、興味のある方は2003年11月16日から11月18日の蓼科高原日
記をご覧いただければさいわいです。僕が何を言いたいかが、そこにはきちん
と書いてあるから。
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さて、ホームページを拝見しました。日々の生活を自分らしく生
きるその感性とてもよく届いてきます。そしてphotoはやわらかな風のように
視覚から気持ちを届けくれて、今日は時間ができ、休んで良かった!
3日間にわたって掲載した村上春樹の話は、上記の文章で始まるある方からのメールに応えたものです。ちょうど「海辺のカフカ」が出た年だったと記憶しています。そして「世界の中心で、愛を叫ぶ」がブームになっていた頃だったと思います。
※写真をクリックすると拡大してご覧いただけます。
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