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個人経営であり、家族だけ(通常は夫婦2人だけ)で運営するペンションにはおのずと限界があります。そのことをいつも思い知らされます。できること、できないことが歴然と存在します。ペンションにホテルのまねはできないし、旅館のまねはできない。もしかすると人手の足りている農家が経営する民宿さんにもおよばないかも知れない。
日本におけるペンションの概念、ペンションという宿泊施設に対するお客様の期待と認識、旅行業界における位置づけにはなにかひどく理不尽というか歪んだものを感じます。まず第一に宿としてのペンションの機能的な概念が正しく認識されていない。第二に宿泊施設としての価格上の現実のポジションと、その対価としてのサービス内容のイメージ上のポジションとが大きくずれている。第三にペンションに全くカテゴリーの異なるリゾートホテルなみの設備を求める傾向が増大している。これは先の2つの命題と関連していますね。
それは過当競争の中で、正確な情報よりもいささか誇大表現気味の広報活動の文面によって美しく誤認されているという現状があるのかも知れません。もちろん文面通りの素晴らしいペンションさんも多々存在するわけですが、その評価もじつのところお客様の「イメージ」の中でのことが多いのが現状ではないでしょうか。その点についてはぼくは自信がありません、正直言って。
日本におけるペンションのイメージはそのようななにやらスーパー・ファンタスティックな宿泊施設のようですね。確かにそのような側面はあります。しかしそれは一面の真実を語っているに過ぎないというのもまた否定しようの無い現実です。先ほども書きましたが、できることとできなことの狭間でかろうじてバランスをとりながらお客様に最大限の満足をお持ち帰りいただこうと腐心しているのが現実の多くのペンション・オーナーの姿ではないでしょうか。
もちろん、役者同様虚勢を張り通してそのようなスーパーなペンションを演じ切ることだって可能かも知れない。もちろんそれができるすごいオーナーも存在するでしょう。しかしぼくは「普通のひと」です。だからぼくにできることは、ひとりの人間として、個人としてお客様に接することだけのような気がします。ぼくら普通の人間たち(妻を含めて)が、同じ人間としてお客様をおもてなしするというのがペンション・サンセットの原点のように感じていますし、ぼくの考えるところのペンションのかたちです。
もし、そんなペンションでもよろしければ、あるいは万一そんなペンションがお好みでしたら、是非足をお運びいただければ幸いに存じます。すべてのお客様に気に入っていただこうなどと大それたことは考えておりませんが、せめて合格点はいただけるだけのものはペンション・サンセットにもオーナーを務めるぼく自身にもあると信じております、たぶん。
高原へいらっしゃい。風景や気温や湿度だけでは語れない「なにか」があなたを待っています。高原は「本当の自分に出合う場所」なのです、きっと、このぼくがそうであったように。
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今日のエントリーは、2003年7月29日の記事を若干推敲して再掲載したものです。今日書くことが思い浮かばないから、ということではなくて、機会があったら何度でも同じことを繰り返し書きたいという思いからです。
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