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アントニオ・カルロス・ジョビンの曲の名前「Useless Landscape」からふと思ったのだけれど、世の中にはこの美しい景色になんの感慨も抱かない人も多々いらっしゃるのではないかって。それは決して悪いことなんかではなくて、ごく自然なことなのではないのかって。
ある作家が言うように、世の中にはどうにも「自然」がなければ生きていけない人類と、「自然」なんかまったくなくたって元気いっぱいで生きていける人類の2種類がいるようなのだ。ぼく、あるいはぼくらは前者であるし、蓼科の美しい自然を前にして「あら、なにもないのね。がっかり!」と正直におっしゃる方は後者なのだと思う、たぶん。
それはそのひとの個性であるかも知れないし、種の多様性などと言う大仰な言い方もできる。
要は、ひとそれぞれだってことですよね。
ジョビンの原曲がどのようなニュアンスで「Useless Landscape」を謳っているのかは寡聞にして知らないのだけれど、ぼくとしてはまあそのようなことを思い浮かべてしまうわけです。
確かに、自然が大好きな方でも、近年星を眺めたりセミ時雨に聞き入ったり、早朝の野鳥の歌声に酔いつつバードウォッチングにいそしむなどという「風流」を実践するお客様は少なくなってきているように感じます。なぜなんだろう、不思議なことです。
ひとさまのことは言えない、ぼく自身からしてブログのために写真を撮影することを念頭に置かない限りこの広大な自然風景に視線を向けることが少なくなってきているのを感じるのです。やはり、衣食足りて礼節を知る、というか安寧で安定した生活ができて初めてひとはひととしての美しく豊かな感性に目覚めることができるのかも知れませんね。もちろん例外はありますけれど。
※写真をクリックすると拡大してご覧いただけます。
頂上部を雪雲に覆われた今日の蓼科山の写真です。
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