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夏の花、オダマキはペンション サンセットの庭にも7月に咲きます。
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流通業としては異常な成り立ちを持つハンズだから創ることが出来た「売れ筋よりも品揃え」という独自性。それを離れ、販売効率を重視する流通業の「本道」に進む。そしてその道では、激戦区で鍛え上げられた王者たちが血みどろの争いを繰り広げているのです。値段は安く、売れ筋を揃え、ムダを排除。それ自体が正しいか、間違っているかではなく、それがハンズにとって(他社以上に)得意なことかどうか、です。
これは東急ハンズ出身のライター、和田けんじさんのコラムの言葉です。
私も、じつは電通という広告代理店を辞してペンションを始めるまでの間の数年間、流通を学ぶために東急ハンズに正社員として入社し、現場の一員として働きました。だからこそ、和田さんの言葉に明確に共感できるのです。この部分だけでは彼の言いたいことの本質は理解しがたいと思うので彼の個人サイトをのぞいてみてください。
私が東急ハンズを辞して当初の予定通りペンションを始める決断をした理由も。彼と同じです。つまり、私が自分なりに咀嚼した東急ハンズの理念やコンセプトと「実態」とがどんどん乖離していることが明確になったからです。個人的に東急ハンズを心から愛していたからこその決断でした。
結果的に、自分が本当にやりたいことをやるには自分自身に就職するほかないのだと理解したからでもあります。もちろん、様々なひととの出会いの場であるペンションという仕事を通じて、日常や仕事で疲れてしまった人たちにリフレッシュのための「場」を提供したいという思いがますますつのったということでもありました。
何故なら、私自身がとある高原のペンションに毎週末通っては、心身の再充電をしながらがんばることができた経験があるからです。ハンズに入社してからはそれもかなわなくなり、かなり消耗してしまったことで、あらためて自分にとって、あるいは自分の同じような志向性を持つ人々にとって、そのような癒しの「場」がいかに大切かと言うことを改めて自覚したのです。
ところで、東急ハンズは逆説的流通業が成功した、おそらく唯一の店舗ではないでしょうか。先の引用文にあるような「流通の王道」の正反対の戦略の上に成り立っていたからです。「売れ筋商品」だけでなく「死に筋商品」でもお客様のニーズが少しでもあるような商品はきちんと取りそろえてあるからこそ、多くのお客様の信頼そして期待が寄せられたのだと思います。
それこそが東急ハンズの存在理由だと思います。その分決して市場最安値というような「価格勝負」はしていないわけです。というか、そのような両立は困難なのです。
こうして自分の来し方を振り返ってみると、ペンション サンセットの在りようとか理念とかコンセプトが、まさに自分の思考してきた、あるいは身をもって学んできたことの集大成になっていたことに気づきます。開業して以来、恥ずかしながら、初めて気づきます。
久しぶりにまじめに思考しながら書いたので頭が熱くなってきました。
続きは明日以降に譲って今日はここまでにしておきます。
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